
通算の訪問回数は5回ぐらいか、秋田の一軒目はここ一択な、比内地鶏料理を中心とした秋田の味覚の店である。川反通りの一筋西側、赤れんが通りの郷土館の斜め向かいの2階で、掘りゴタツ式のカウンター席の角の席に、なぜかほぼいつも通される。秋田の夜には、ここが決まった席だ。
今宵はGOTO券2枚プラス持ち出しちょっとで、リーズナブルに納める趣向。毎度の組み立てから端折り端折りで、ゆるゆると過ごした。比内地鶏モツ煮込みは黒、白、黄色の色とりどりの部位が入り、ハツもスナギモもザクザク、シャキシャキと歯ごたえがかなり残っている。キンカンは未成熟で味の淡い卵の黄身。卵というよりジャガイモを食べでいるようにほこほこ、ホロリと淡泊。鶏のダシを吸った豆腐やコンニャクが、姿は見せない比内地鶏のうれしいおまけだ。
地鶏料理によくあるように、比内地鶏も脂少なめ歯応え固め、かみまくって味が出るアスリート系の肉。串焼きの正肉ねぎまも同様で、ガシッとかじってグッとひき、黙々とかみしめる。そしてメインに据えたのは、比内地鶏卵つきつくね棒。店の自慢の一品の手作りつくねで、串から比内地鶏の卵をからめて味わう。肉も卵も味が濃いのでこってりと相乗効果、まさにコンパクトな親子の味だ。
酒はジョッキと、最安値の太平山冷や徳利で、占めて3300円。GOTOクーポン使い、持ち出し1300円で堪能できたのはありがたい。