
歩道沿いの流水をたどっていくと、源智の井戸へ到着。界隈のかつての町名の所以にもなっている湧水井戸で、松本城主小笠原家の家臣が所有したものです。歴代領主が保護、酒造業者にも評判で、多くの蔵元が利用しました。松本城下は美ヶ原などの山地、梓川などの扇状地による地下水が豊富で、数多くの井戸や湧水に恵まれています。湧出量は、毎分200リットルと豊富。硬度は113と硬水系で、地元では飲用に使われてます。源智の井戸に隣接する曹洞宗の瑞松禅寺には、子供を抱く慈母観音像ほか、湧水「宝の泉」も。また旧町名は源智でなく「源池」と表記しています。
大橋通沿いから突き当たりを左へ、あがたの森通りを歩きます。アートに関連する施設が沿道に。こうした店舗も点在。公園をモチーフにしたまつもと市民芸術館の路地を行くと、松本深志神社の境内へと入ります。手水鉢には、天神様の梅の絵柄が。神楽殿を抜けた先に、本殿があります。松本深志神社は、諏訪明神と菅原道真を祀る神社。学問と勝負事にご利益あり、菅原道真公十一歳の御像は十一歳の時、初めて漢詩を詠む場面を表す様子です。門前の天神通りほか、界隈には梅ケ枝町など、天神様ゆかりの町名も残っています。
まつもと市民芸術館へ戻り、あがたの森通りをさらに先へ。向かいの松本市美術館は、地域の作家の作品を中心に所蔵する総合美術館。並木越しに見えるアートは、当市出身の草間彌生作です。