駅付近の旧町名は「新伊勢町」。中心部の伊勢町へ至るのが由来です。飲食店が集中する公園通りを進むと、駅に近い洋食レストランのタツミ亭や、そばの店が目立つのも、そば処信州ならでは。並木のほか、通りに面して花を並べる店も目立ちます。公園通りの中ほどにあるパルコの向かいは中央西公園で、花壇や花時計など、花があふれます。

このあたりから、沿道になまこ壁の土蔵かちらほら。松本城へ至る本町通りを渡ると高砂通りで、「水と人形の町」を標榜、老舗の人形店が軒を連ねています。かつてパルコの所にあった生安寺からのび、「生安寺通り」と呼ばれ、節句にはひな市で賑わいました。村山人形店は昭和21年創業の、雛人形をはじめ節句人形の老舗。かつての町名を示す碑の脇にある正一位安高稲荷は、養蚕農家が成就祈願に訪れてました。沿道に流れる榛の木川は源智の井戸が水源。源智の井戸に向けて、さらに通りが続きます。

林人形工房は元木材問屋で、創業200年。節句人形ほか、市松人形も扱っています。古い商家を用いた食堂は、野菜炒めラーメンが評判とか。湧水には小魚が泳ぐ姿が見られ、貼り紙によるとニジマスなのは、さすがは山都の水路です。江戸期創業のうなぎのまつ嘉は売切必至の人気店で、向かいの正一位真綿稲荷はもと製糸場にあり、積まれた綿からその名がつきました。