
遊亀公園そば、甲州流の握り寿司が味わえる寿司処。9割方が地元の客。ハレの食の場らしい賑わいがある。ランチの「甲州にぎり」は、普通の握りとはかなりスタイルが異なる寿司。甲府の握りの大きな特徴は「仕事」を施して握る点で、江戸に近いため江戸前の技が伝わったのが由来とか。また一カンが普通の寿司の1.5倍ぐらいあり、二つに切って出されるほど。ハレのごちそうだった形が継承されている。
どの握りにも、醤油ダレを煮詰めたツメがたっぷり塗られ、トロリとした甘さが、タネの味わいを下支えする。イカとアナゴはツメとしっくり相性がよく、サバは締めた酢と甘さがぶつかり相乗。マグロは、酢飯とツメと赤身のうまさが、見事にマリアージュ。ひと口サイズでひょいひょいと進み、シャリが大きく結構腹一杯になるボリュームだ。