
「椿の小径」は桂浜から坂本龍馬記念館への近道で、沿道から桂浜水族館を見下ろせます。登り切ったら案内に従い、国民宿舎桂浜荘方面へ。敷地内には、浦戸城の天守跡もあります。浦戸城は長曽我部元親が築城。土佐湾に面した中世の平山城で、山内氏が治世のために築城した高知城と対照的です。鳥居をくぐり天守台へと登ると、現在は大山祇神社と城八幡の社のみ。かつてはここに、五間四方3層の天守が備えられ、浦戸湾側に城下町もありました。
浦戸城跡と国民宿舎桂浜荘に隣接する坂本龍馬記念館は、龍馬生誕150年を記念してつくられた記念館。文献資料の他に、龍馬の人となり、考え方などを紹介。史実からは見えない龍馬の姿がわかります。常設展示室には、龍馬が残した文献、書籍、手紙や遺品が展示。坂本家の本家・才谷屋の年譜や、世界を視野に入れた龍馬が目にした世界地図、袴にブーツ、懐に腕を入れた上野彦馬による写真も。懐に入れているものは諸説あり、ピストルほか海図、懐中時計など。173㎝80㎏の体躯は、当時かなり大柄でした。
展示には、その写真の姿で懐に持っていたと考えられるピストルや、国際法の書「萬国公法」も。手紙を書くことを好んだ龍馬のたくさんの手紙も見られ、中にはお龍との新婚旅行を姉の乙女に出した手紙が、韓国岳の絵が詳細です。乙女宛のこの手紙は1m70㎝もある長編で、歩いた区間の様子を綴った、ちょっとした紀行書になっています。サイネージでは有名な手紙の一節「エヘンエヘン」「せんたく」の文字も。
本館には幕末・維新にまつわる資料が揃い、見ものは近江屋の暗殺現場の復元。火鉢を挟んで、龍馬が床の間側、中岡慎太郎が手前に座ってました。屋上の展望デッキからは太平洋を一望。龍馬が見据えたアメリカへ、目を凝らしてみては?