
廊下門を出た先で、旭川沿いを歩きトラスの月見橋を渡ります。川面にはカヌーを漕ぐ人も。振り返ると川に面して、往時のような岡山城の姿が望めます。渡った先が岡山後楽園の南門で、岡山城と連続して散策できます。江戸期を代表する大名庭園の後楽園は、沢の池を中心とした回遊庭園で、延養亭や能舞台、茶室や祠など、歴代藩主ゆかりの建物が並びます。
園に入り目を引くのが、中程にそびえる築山「唯心山」。二つの池に渡された、水路沿いも歩けます。沢の池のまわりの芝生を眺めながら進み、まずは唯心山から園内を見渡してみましょう。山頂へは一方通行で、高さは6メートルながらのパノラマは、中の島への太鼓橋や「島茶屋」、水路を通した涼しげな休憩舎の山麓の「流店」などが見渡せます。
中の島の向かいには、かつての田畑の名残「井田」が。後楽園の園内は江戸当時、大半はこのような田畑が広がっていました。現在広く見られる芝生は、当時は延養亭の前ぐらいで、現在の規模に整備されたのは明治期になってです。田んぼのほか、付近には梅林、桜林、茶畑も。鶴鳴館に隣接する延養亭は藩主の居間で、園内を一望。延養亭に隣接する「花葉の池」では、白い大名ハスや巨岩を割って運び組み直した「大立石」が見ものです。