水路が流れる西川筋から、出石橋をわたって「あくら通り」へ。沿道のあくら(クロガネモチ)が、名の由来です。やや先へ行くと、オレンジ色の看板が鮮やかな芝居小屋が。後楽座は2011年に設けられた、岡山県で初の大衆演劇場です。元々は映画館だった施設を、自らも劇団の座長を務める里見要次郎氏が劇団員の方たちと改装。花道と舞台はともに座席と近く、臨場感たっぷりの迫力あるステージが楽しめます。ひと劇団の興行期間は1ヶ月で、劇団昴星は大和みずほが座長の、全国的人気劇団です。後楽座のすぐ裏手の田町温泉は、番台式の昔ながらの銭湯。観劇後にひと風呂も楽しめます。この先、あくら通りが通る田町付近は夜の繁華街で、沿道にはクラブが集まるビルのほか、ローカルな商店も。

路面電車が通る柳川筋の新西大寺町筋電停の先は、新西大寺町商店街。柳川筋と城下筋を東西に結ぶアーケードです。アーケードに並ぶ店は、地元の生活向けが中心。入口すぐには、バナナクリームサンドが人気のキムラヤや、唇が怪しげな表町プレイタウンは、路地の飲屋街。メンズショップの看板と山盛りの店頭にひかれて覗いた店には、生活雑貨がどっさり。値段は安くセールスコピーも洒落ており、イチローを推しまくる宣伝看板はスズキの屋号の縁のようです。

南時計台で北からの表町商店街と合流、こちらは岡山屈指のショッピングスポットで、しゃれた雰囲気です。オランダ通りはブティックやレストランが集中、商店街沿いにドイツパブも。アーケードを抜けると西大寺町の電停で、さらに直進します。