鯉城通りを平和大通りへ向かう道中に建つ、広島市役所や中国電力の社屋も、被爆建物。平和大通りから袋町にかけては、特に原爆の史跡が集中している。

広島の鎮守の社・白神社は、かつては平和大通りあたりから南は海で、この社があった場所は岩礁でぶつからないよう白い紙をつけ目印としたため、その名がついた。被爆したため社殿は再建されたものだが、広島最古の狛犬は礎石は焼けて赤くただれ、隣接の常盤稲生神社も石が赤く割れているのが分かる。前にある愛宕池跡は、かつてクラウンプラザホテルの場所にあった国泰寺の池の名残。周囲には原爆を受けつつ残った、多数の被爆樹が植わっている。

鯉城通りを渡った向かい、NHK広島放送局の前には「ヒロシマの火 平和の灯」が。灯は平和記念公園の「平和の灯」と、福岡県星野村の「平和の火」の、2つの火が灯っている。「平和の火」は金正堂という書店で本が燃えていた火を、縁者が星野村に持ち帰り、灯していたものからとったもの。いわば、原爆の残り火と言える。

鯉城通りを渡り、袋町界隈も歩いてみましょう。