
シンフォニー通りに戻ると、あら町交差点には昭和7年築の駅前旅館だった豊田屋旅館の、木造三階建ての建物が角に。界隈はあら町(新町)で、高崎城下町の江戸時代からの町名。中山道の伝馬宿や問屋だった歴史がある。そばには地域の氏神である武田氏ゆかりの諏訪神社と、隣接して石組の山車蔵が。山車の人形は諏訪明神の健御名方冨命(たけみなかたとみのみこと)。市街には38台の山車があり、8月上旬の「高崎山車まつり」で市街を巡行する。
この先の鍛冶町交差点で右に伸びる「南銀座」は、しゃれた店が点在する舗道。ステンドグラスの横内ガラス店、鍛冶町の名に相応する創業昭和16年の刃物屋・高橋鋸店の前には、江戸の職人的行灯看板が。歩道の車止めやタイルにも、鍛治職人のイラストがあしらわれ当時を伝えている。
宮元町交差点手前には、町屋と蔵の建物が連続。WASH &FOLDは、高崎が本社の東洋リネンサプライの、洗濯代行サービス。たかさき都市景観賞を受賞した古民家「きもの彦太郎」の建物をリノベ、コインランドリーも併設して気軽に利用できる。隣の蔵のギャラリー棗は、百数十年前に建てられた商家の蔵を生かした、日本茶専門の喫茶・ギャラリー。その隣の瓦屋根に漆喰壁の刀屋も、刃物と金物の店。宮元町交差点に建つスカイビルは、かつて北関東初の回転式展望喫茶室「高崎スカイラウンジ」が設けられていたが、いまは止まっている。
では、城郭の名残もたどっておきましょう。