瑞巌寺は慈覚大師円仁が開祖の、奥州随一の古刹である。創建時は天台宗だったが現在は臨済宗で、現存の伽藍は伊達政宗公が諸国から名工や良質な材を集め、5年がかりで完成させた。伊達家の菩提寺もあり、桃山様式の建物の内部は唐戸や欄間、襖や床の間などに、豪華な絵画や彫刻があしらわれているのが特徴である。本堂へと続く参道は、左手に杉の木立、右手の崖際は洞窟、石碑、石塔、石像群が続き、凛とした空気が漂っている。

拝観券売り場を過ぎ、しばらく木立が続いた先には本堂が控える。幅38メートル、奥行き24.2メートルの巨大な建物で、書院造、入母屋造本瓦葺。内部は仙台城本丸大広間にも設け秀吉の聚楽第にも匹敵する、藩主の部屋「上段の間」をはじめ、室中孔雀の間、仏間、上々段の間など10室の部屋が設けられている。彫刻は吉祥をモチーフとし、金鶏、孔雀、鶴に菊や紅葉や牡丹など、色鮮やかで躍動感がある。

これで松島の陸部は散策終了だが、帰りはちょっと「穴場」を回っていきましょう。