元興寺の向かいにある酒屋・小川又兵衛商店は1926年築の町家で、店頭から奥へ向けてトロッコのレールが伸びている。長さ60メートルほどで今も現役、店頭ではトロッコに座って飲むこともできるとか。先ほど折れたところまで戻り、公納堂町の中の路地へと入っていく。先ほど来た道と同じ幅で細く、道幅が細く交差部が食い違いになっているため、運送会社のトラック同士がつっかえるなど、暮らす上では不便もありそうだ。

やや先に行くと、白壁の長屋門のような建物が右手に現れる。今西家書院は興福寺大乗院家の坊官を代々勤めた福智院氏の居宅で、室町期初期の書院造りの遺構として貴重な建物である。町家が並ぶ奈良町の中で格式を見せており、庭を見ながら喫茶を楽しむこともできるそう。

有料のため、玄関周りの石畳や灯籠、開いた扉から見える書を眺めて、見学したことに。その一角に「春鹿會」とある石、邸宅を買い取った今西清兵衛商店は、超辛で知られる奈良の地酒「春鹿」の蔵元でもあり、隣の店舗では試飲ができるそうでこちらの方が気になるような。

猛暑のため試飲は我慢して、先へ進みましょう。