
八重勝、天狗、だるまの御三家が人気を分ける界隈の串カツ事情だが、これらは行列必至でそれなりの意気込みで臨む覚悟がいる。ほかで私的に選ぶとしたら、来るたびにいつも寄るこちら。通天閣の南東の橋脚直前と近いから、というのが理由と言うわけでないが、昼前から夜遅くまでやっていて、創作系も多いが「基本」の品がしっかりしていて、そこそこの混み具合でいつも入れるから、など、何となくいつもここな流れができている。この日も通天閣を下ったらちょうど開店の11時で、そのまま一番目の客として暖簾をくぐった。
カウンターに落ち着いていつもの流れて「どて焼き」を頼んだら、まだ早い時間のため用意ができてないとのこと。まあ知った店だしそれぐらい許容して、串揚げ10本お任せで頼んだ。串カツはペラっとした肉を畳んで揚げた、お約束の味。注釈のない肉は「牛」なのが、大阪に来た感がする。以下ししとう、豚バラ、赤ウインナー、ホルモン、レンコン、イカ、アスパラ、うずら玉子、海老の順。赤ウインナーが子供の頃の懐かしさ、ホルモンがガシガシ噛んで味が出る系、アスパラは丸一本揚げでみずみずしく、串ごとの味覚の変化が楽しい。
昼ごはんなのでこの1セットで終了しようとしたところに、「どて焼き間に合いました!」とお兄さん。とろけるスジ肉に煮汁の味が染みたゴボウ、ダイコン、コンニャクときたら、自重していたジョッキに手を出しみるみる腰が重くなる、通天閣たもとのお気に入りローカルごはんである。