
高さ100メートルちょいの通天閣の方が、450メートルのあのツリーより景色がよいとはこれいかに。要はそこそこの高さの方が、周囲の景色が高目ながら近く見えるからではなかろうか。エレベーターの扉が開くと、まず目の前に広がるは天王寺公園の緑。動物園のおり、さっき見た茶臼山や美術館が程よい大きさに見下ろせ、右手にハルカスをちょい見上げ、さらに奥には生駒連山が左右に連なる、なかなかのパノラマが広がる。
南側はさっき歩いたジャンジャン横丁のアーケードから新世界の本通り、あのフグがミニチュアのように見える。西は大阪港を跨ぐ赤いトラスの港大橋越しに六甲連山、北は梅田周辺のビル群に、直下を見下ろすと通天閣を起点に放射状に広がる街路が分かる。勧業博覧会のときの区割りが、今もなお残っているのだ。
大阪市街のすべてを見下ろしたところで、そろそろ下へ降りましょう。