出雲市に泊まった翌朝、予報では未明から土砂降りとあったため散策は諦めていた。が、チェックアウトのタイミングで小止みになり、このたびの旅は神懸かり的に天気に恵まれているようだ。出雲市の町が歩いて欲しいようなので、また降り出すまでにてくてくさんぽ、いってみましょう。

ホテルから駅方面へと折れると、「しんまち」との案内板がある通りに出た。今も現役な古い木造の商家が並んでおり、街道筋か門前町かは分からないが時代を遡った雰囲気がある。途中にある「鳥よし茶屋」は、二面が通りに面した大料亭風で、ハイアースやオロナミンのレトロコンセプトなホーロー看板に並び「クロスタミン」という出雲ローカルらしい薬の行燈が、地元感がある。

先へ進むと「扇町商店街」になり、大衆食堂や瀬戸物屋や酒屋など、昭和30年代テイストに時代が変わる。中ほどの和菓子「坂根屋」へ立ち寄り、ケースを眺めたら初夏っぽい練り切りが並んでいた。これもこの時期が解禁まもない「鮎」を購入、松江や出雲界隈の和菓子屋では、この時期定番の菓子だそう。生地に包まれた求肥のみずみずしい味わいが、清流に踊る鮎の清冽さを思わせる。

駅前大通りの「くにびき通り」を渡り、アーケードにも行ってみましょう。