最後は「土手通り」を経て、松江しんじ湖温泉駅まで向かう。中原町を東西に横断しており、かつてはここが湖畔で江戸時代に堤防があったことから、その名が通りに残っている。城山西通りから折れた途端、古い商家建築が軒を連ねており、どこも現役で頑張っており生活感がある。花屋、仕出し屋、金物屋など、普段使いの店が目立つのも、地域に根差した素朴さがある。

気になった店としては、シジミのレトルト加工が評判の平野缶詰、益田市美都町のユズを使う江戸期からの柚餅子が看板とある福田屋、県産のトビウオのみを使い炭火焼した「あご野焼き」を扱う青山蒲鉾店、自然発酵熟成の二段仕込み醤油の平野醤油など。青山蒲鉾店は享保12年創業、平野醤油は創業95年と、建物も歴史ありげ。明日は松江温泉泊なので、宍道湖七珍が味わえる「五歩屋」とともに、再訪が楽しみだ。

朱の洋館建築が目を引く一畑電鉄本社前を通れば、松江しんじ湖温泉駅はすぐ正面。駅前の足湯とお湯かけ地蔵を眺め、松江湖畔公園で宍道湖を一望したら、ちょうど2時間でお疲れさまとなった。ここから左右に広がる宍道湖の眺めはもちろん、湖のせいか松江の町は空の広さも感じられる。正面には嫁ケ島や白潟公園、島根県立美術館も見え、明日は夕景が見られるだろうか。

松江ミッションはひとまずコンプリート、明日の午後、降ってなければもう少し頑張りましょう。