京店商店街は飲食店と雑貨店が集まる、市街屈指のおさんぽスポットである。京都の町屋街を参考に造られたそうで、藩に嫁いできた姫のために整備した所以があるため、縁結びスポットとしても売り出されている。大橋北詰の交差点を渡ると、舗道は石畳になり並ぶ店舗もハイカラに。古い商家も現代風のテンポが入りまじり、時代がバラバラながらなんとなく統一感がある。殿町に本店がある、特産である出雲めのうの「川島」も、こちらに店舗を出していた。

通り沿いの「カラコロ大黒」は縁結びの大黒様とあり、表情がやたらににこやか。恋みくじやらハート絵馬やらもあり、ほかハートの石畳とかハートのローズクォーツと水晶とかが埋め込まれるなど、縁結びの仕掛けが多様になされている。お姫様所以らしい仕掛けかも。

大黒様前の石組の建物に挟まれた路地を抜けると、「カラコロ広場」というパブリックスペースになっていた。目の前には親水歩道が整備された京橋川が流れ、堀川めぐりの遊覧船も発着する。広場の壁に、トランク片手の方の後ろ姿のシルエットがあり、寅さんかと思いきや「へるん」、ラフカディオ・ハーンとのこと。風格ある店構えの「風月堂」の羊羹、京橋たもとでつたの絡まる外観を見せる「珈琲館」など、気になる店もあるが、2時間しかなく先を急がねば。

旧日本銀行松江支店を改装した「カラコロ工房」を川の対岸に眺め、お城も天気の良いうちに。