博多はまさに泊まるだけの滞在だが、昼前の列車まで2時間ほどある。駅まで歩きにして、少しばかりてくてくさんぽしてみましょう。

宿泊した界隈は「御供所(ごくしょ)」という町名がついており、古くから寺社が集中していた地域である。緑地が多く残り、豊臣秀吉が整備した「太閤町割」の名残や昔からの町屋も点在。市街地化した博多の街の中で、閑静かつ歴史を感じさせる一角となっている。

ホテルを出たところは「魚町通り」と名が付いた、幅の細い商店街がのびる。かつての博多地区は「冷泉津」という入江で、このあたりにあった「袖ノ湊」付近に魚問屋が並んでいたという。今は旧市街の路地といった様相で湾が迫っていた面影はなく、駅方面に向けて石畳の通りが続く。沿道にはたまに町屋が点在するほか、間口の狭い部品の町工場、赤テント幕に屋号を記したレトロなラーメン屋、どこか湯治場風情の銭湯など、ローカルさの中に独特の構造が見られる。

寺町ということで、古刹を2つほど参拝していきましょう。