「舞台芸術見本市」で、2日め午後にもうひとつ、島根県浜田市金城町の石見福祉会芸能クラブによる「石見神楽」を鑑賞した。演目は八岐大蛇で、途中から入るとちょうと8頭の大蛇がトグロを巻きつつ競り上がるシーン。須佐男が登場して戦い、ひとつひとつ頭を切り落としていく姿に、拍手喝采の盛り上がりだった。

このクラブは35年前から活動しており、金曜の夜に施設の利用者と職員でやっているそうである。はじめ余暇活動だったのが次第に本格的になり、現在は公演の依頼が増えているという。100以上ある石見神楽の社中の中で、障害者が所属しているのはここだけ。でもそれを感じてもらいたくない、あくまで舞台の成果で評価されたいと代表者が語っていた。

大蛇は長さ18メートル、重さは12キロあり、体を見せずにひとりで回すのは大変な体力と技量が必要とか。確かに「中の人」すら感じられない熱演、満場の拍手が評価の証ではなかろうか。