大正3年創業、とくれば学生街といえどもなかなかの格式あるそば屋。応じて値段もそこそこで、吉や富士や小諸が席巻する昨今ではそば屋としての正統派感がある。

カツ丼の発祥の地とされる当地に倣い、頼んだ丼ものはちょっとリーズナブルなこちら。関西では「他人丼」とも呼ばれるとかで、玉ねぎと豚肉を卵でとじただけなのに、妙に味が深い。付け合わせの味噌汁を味わって納得、カツオでとったダシの濃さが、そば屋の丼らしい完成度を出しているのだ。

遅めの昼飯に丼をかっこむ学生に混じり、午後のそば屋酒を楽しむ年配層の姿も多い。学生街・大隈通りの市井のそば屋、この庶民派らしさがいい。