津から足を一駅のばしてやってきたのは、一身田という駅。国宝の堂がある大寺院のまわりを2時間ほど、高田本山てくてくさんぽ、いってみましょう。

この街の見どころは駅から5分ほどの、高田本山こと専修寺(せんじゅじ)である。親鸞上人の教えを継承する浄土真宗の一派・高田派の総本山で、室町期の文明年間に真慧上人により創建された。3万坪もの広い境内には、国宝2棟、重文11棟の壮大な伽藍が広がり、隅々までめぐれば数時間はかかりそうな広大さである。

国宝に的を絞って拝観すべく、まずは肘木で組んだ二階建ての巨大な山門をくぐって、正面の御影堂を参拝。親鸞上人の木造が安置される、伽藍の中でも主となる建物だ。堂内へ入ると、42×36メートル・畳780畳敷の広さにまず驚く。欄間には竜や鳳凰の鮮やかな彫刻が施され、須弥壇付近は欄間のハスや柱や戸や壁が金襴で装飾されるなど、艶やかなしつらえに言葉が出ないほど圧倒されてしまう。親鸞の大師号「見真」の文字が記された扁額の下には、金箔で装飾された宮殿が配され、ここに歴代の上人がいらっしゃるという。

心して参拝したら、如来堂へも足を運んでみることに。見事な檜皮葺の唐破風が施された唐門の延長に位置し、御影堂とは通天橋で結ばれている。こちらの宮殿も彫刻や金箔で華やかに装飾されていて、金の須弥壇に立つ本尊の阿弥陀如来像から、まるで後光が放たれているように見える。煌びやかな御姿を拝みつつ、しっかりと参拝を。

周囲の門前町に特徴があるので、小一時間ほど歩いてみましょう。