
津が発祥でありながら、いまいちそのイメージに欠ける食文化。中でも全国区の和スイーツとなったこちらは、津の和菓子屋が考案した(諸説あり)ことは、ほぼ知られてないのでは。大門商店街の入り口にある「とらや本家」がその店で、11月から5月にかけてのイチゴが旬の時期しか扱わない、こだわりの品だ。
販売は2つ単位で、見た目はわりと小ぶり。そのはずで、中は大振りのイチゴが求肥の中にそのまま入っているようで、ほぼイチゴのみ詰まった感じに見える。まわりの白あんは薄めだが、かじるとイチゴのフレッシュな酸味を包むように、濃厚な甘さが広がる。甘さと酸っぱさ、サイズにジューシーさ、いずれも計算された逸品である。
イチゴのほかにも季節の果物を用いた大福が揃い、今は栗にみかんの文字も。別の種類を組み合わせて売ってもらえると、食べ比べができて楽しそうだ。