
市街から港へは、市街を東西に貫くフェニックス通りを歩く。歩道がきれいに整備されて歩きやすく、天気がよければ高知か宮崎と見まごうような、南国情緒あるさんぽが楽しめそうだ。あいにくの曇りだが、歩き進むにつれて城下町から寺町、海岸町へと、沿道の表情が変わっていくのが面白い。
乙部付近の一角は寺町で、10軒ほどの寺が集中する。上宮寺は津で最古の真宗寺院で、聖徳太子と親鸞証人の絵伝が寺宝とあった。境内はソテツが植わり、ここもどこか南国風だ。やや先の浄明院には、フェニック通りに沿って四国八十八箇所詣での祠が、古びた佇まいで並んでいる。参りながら進めば、巡拝のご利益があるだろうか。
スッと潮の香りが漂い、海が近いかと思ったら魚問屋と青果物問屋の建物が並ぶ。通りを渡ると海岸町になり、正面には堤防も見えはじめた。港付近をぐるっと回って、折り返しましょう。