
伊勢市を後にして、近鉄電車に揺られること30分。行程上泊まることになった津へ降り立った。三重県の県庁所在地ながら、一文字地名なこと以外の情報が意外とない。街歩きのコンテンツはどんなものか、津てくてくさんぽ行ってみましょう。
津の市街の中心は、津駅からひと駅伊勢市寄りの津新町が最寄りとなる。歩くこと15分ほど、まずはランドマークの津城跡へとやってきた。織田信長の弟の信包が築城した平城で、かつては5層の天守が設けられまわりに造られた城下町が、津の町の基礎となっている。城は藤堂高虎が入城した際に大改修され、伊勢街道を城下東寄りの大門経由に引き入れることで、流通と経済をさらに発展させた。
広大だった縄張りも、現在は外堀と二の丸は市街地に取り込まれ、内堀に囲まれた西ノ丸、本丸、東ノ丸のみが残っている。紅葉が鮮やかな内堀の西側を見て、南側から西ノ丸へ。中は日本庭園になっており、高虎が設けた藩校有造館の門だった「入徳門」が移築されている。赤茶の鮮やかな門の前には何故かソテツが植えられ、どこか南国的なたたずまいがする。
本丸は西洋風の公園に整備され、園内は藤堂高虎の騎馬像が睨みをきかせているほかは、城跡の面影はほぼ見られない。東南の角には高石垣の上に復興された丑寅櫓がそびえ、唯一ここが城だった名残をとどめている。
さらに先には、津の下町といえる一角が。足を向けてみましょう。