
旭・保土ヶ谷区民にとって、母なる大河? といえる帷子川。昭和初期に天王町付近に多かった特産品のスカーフ工場が、流れを染物の水洗いに使った。中流域の白根不動は、今も滝が残っている。小学校のわが町探訪的な授業で、こんなネタを学んだ記憶がある地元民の方もいらっしゃるのでは。
下流域は相鉄線の横浜駅そばを流れ、そごうのシーバス乗り場で横浜港に注いでいるのは、割と知られている。では上流域や源流は、一体どうなっているのだろう。ざっと調べたら、旭区の若葉台団地付近に、その源があるようだ。市の建築遺産とも言われる大貫谷戸水路橋をくぐったあたりに、「上川井町小川アメニティ」という緑地が整備されていて、このあたりが帷子川の源流域らしい。
小さな水路には舗道や小橋が整備され、団地のすぐそばながら別世界のように気持ちよく歩ける。ところどころに紅葉やツバキの樹木、ススキやアヤメなども植わっている。なんとクレソンの群落もあり、さすが水源といった感じ。いろいよ細くなった流れの果てには、行き止まりのところに配された石から、こんこんと水が湧き出していた。
さすがは水源らしい佇まい、ハイキングがてらぜひ歩いてみては…と締めくくりたいところだが、これは源流域の風情を演出したものらしいことが、もう少し周囲を歩いた結果判明した。真の源流域と水源の姿は、以下に続く。