金沢八景を望む能見堂のおまけは、恒例のおさんぽ湯治。しかも今日は銭湯ではなく、れっきとした温泉だ。文庫側に下ったところの「赤井温泉」は、能見堂のある尾根の直下の立地。住宅地にありながら、どこか山裾の湯の佇まいである。

14時過ぎに行くと、浴室は肌を真っ赤にした親父たちでいっぱい。それが名の由来、な訳はなく、鎌倉時代に武士が傷を治したという赤い湯がゆかりだ。市内にありながら重曹泉の天然温泉で、入ると強烈に熱い。肌が赤くなるのも当然で、湯温は何と45度! でも不思議と長く浸かっていられ、3、4度と出入りしてしっかり温まった。

銭湯にこの時間来る親父たちの話題といえば、競馬などギャンブルが多いのに、聞くとはなしに耳に入るはノーベル賞云々、今日の選挙云々。ひなびた大衆浴場風情ながら、客層は能見台や釜利谷など界隈の結構な住宅地からなのが、さすがというかのハマの「秘湯」である。