
今日の鎌倉・建長寺行きは、写真家の原田寛先生の写真展が目的。開祖である蘭渓道隆の生誕800年を記念して、書や肖像、持物の写真を中心とした展示がされていた。
蘭渓道隆は南宋からの渡来僧で、建長寺の開山をはじめ寿福寺、京都の建仁寺にも携わった。建長寺は日本で二番目に古い禅宗道場として隆盛を極め、当時の渡来僧はまずはここに住持するのが決まりだったという。いわば建長寺は、鎌倉期の中国文化の伝来・発信地として機能していて、茶道も京都ではなく鎌倉が発祥なのは意外に知られていない。
展示は蘭渓道隆の頂相(御姿)、座禅の合間の歩行「経行(きんひん)」の絵図に、墨跡の祖ともいわれる「法語」の書、持物である念珠や持仏の貴重な写真が並ぶ。さらに開祖をまつる祭事「開山会」、古式の茶礼「四つ頭茶会」の様子の写真も。歴史の教科書に割と出てくるこの僧侶の、鎌倉への由縁が学べる催事だ。