特急スーパー宗谷にて、セイコーマートで買った十勝ワイントカップミニボトル×コーンバター。最北地のインパクトを思い返しながらの最後の杯なら、もはやなじみとなったあのコンビニで仕込んだ北海道テイストの、このコンビが似合う。

発車音に後ろ髪引かれつつ、帰りの列車が出発進行。北の雄大な原野を肴に、レールの刻みとともに傾ける名残の杯だ。プラカップにトクトク注ぐミニボトルが、駅の売店の酒らしい即席さ。味はもちろん本格白ワイン、抜ける酸味が車窓の広がりを駆けていく。酔いと揺れで逃げるコーン粒を、箸でつまんでパラリと口へ。シュッと染み出る粋な甘さが、大地の味の名残惜しさを深めること。ああ明日の今頃は東京の街中、酒も肴も眺めもどれもが愛おしい一期一会。

サロベツの平原に燃え沈む夕陽を見送れば、あとはひたすら闇を疾走する3時間。回った酔いに任せて眠るか、漆黒の車窓を凝視して思いに耽るか。あまりの長旅のため心身のリセットに時間が欲しい、淡々と進み行く北の旅路の最終ランナーにて。一献一品の小さな酒宴、間もなく天下泰平なり。