
仕事先から三田までランニングしたので、先日通過した「万才湯」で汗を流すことに。慶応通りの飲屋街のど真ん中、東京タワーに見下ろされる立地にあり、路地奥の古い建物に揺れるこの暖簾。ちゃんと残っているのが奇跡ともいえる、都心ど真ん中のレトロ銭湯である。
番台では無愛想な親父が挨拶なしの出迎えで、脱衣所は古びた木製のロッカーがズラリ。そして「絶対領域」との仕切りが引戸式という頼りなさ。とはいえ、客は親父さんで向こうは婆様ばかりで、これもある意味エアポケット感を強調するような。
都内の銭湯は例外なく湯温が高いが、ここも43℃ととても肩まで浸かれず、しかもジェットバス(笑)。薬湯のドクダミ湯も同じ温度で、さらに45度近い熱めの湯船まである。噛み付くような熱さだったが、慣れるとマッサージ効果が心地よいのが不思議。しっかり熱めのにも浸かり、ランニングの疲れもいい感じでとれたか。
この銭湯は、ペンキ画が浴室入口側の上にあり、しかも男湯女湯ぶち抜きのワイド版なのが珍しい。絵柄はなんとレインボーブリッジ(画像は港区公式より拝借)と、弩級のレトロ湯ながら斬新だ。ランニングの締めのみならず、界隈で飲んだくれた酔い覚ましにも、てきめんの湯である。