もう何度も登場でおなじみ、四谷しんみち通りの「北町商店」にて、くじらのボトル×南三陸産生ガキ。被災地に足を向けたいとの想い募る面々で杯を交わすなら、当地のローカル魚介に敬意を表しての組み合わせの、このコンビが似合う。

食と旅の情報発信を生業とする仲間で、南三陸炊き出しを回想しながらの宴。見たもの触れたもの聞いたものを語りながら、当地の肴で気勢を上げていきたいところだ。大振りの殻からツルりとすすり込めば、炸裂する潮の香から泊浜の柔い波に揺れる小舟が浮かぶ。迎える焼酎ははるか南国、鹿屋の薩摩芋焼酎。どっしりボディながらスバっと心地よく抜ける軽さが、北の入江のカキの素性を引っ張り上げていく。被災地を思いやるなら現場に立ってなんぼ、足を向けたい気持ち新たになる一期一会。

農業漁業のヘルプに、炊き出しの手数に、現場を見て手伝って配って触れ合ってこそ分かる同志の、本音が交わされる集い。どれだけ時を経ようが、心はひとつ南三陸。各々のスタンスでできること、発信できることを再認識する、馴染みの北町にて思案し盛り上がりゆく宴かな。一献一品の小さな酒宴、これからも天下泰平なり。