「用のない街にあえて泊まり強引に旅気分に浸る」企画の富士市編、宿も決まり時計を見ると18時。夏の陽はまだ長く、旅気分に浸るべく少しは街を見ておきたい。

このところ旅先にはランパンを持参して、夕か朝に街を30分ほど走るようにしている。富士市は富士山の伏流水が湧き流れる水の街で、走り出すと各所で湧水やせせらぎに出くわし気持ちがいい。透明度もさすがで、水中の藻が青く揺れるのが見えるほど。良水を大量に要する製紙が盛んな所以でもある。

あたりは神社仏閣も点在していて、道真公をまつる赤い天神様、日蓮宗の大きな堂が目を引く本国寺、そして富士山麓だから浅間神社も。東海道の吉原宿があったため、本町の商店街もそんな佇まいをとどめている。まさに水に導かれて史跡を巡る、といった感じか。

30分ほどぐるり走り巡って、18時半にホテルへ帰着した。間近にそびえる筈の富士山はあいにく拝めなかったが、その麓の街らしさが掴めたランニングだったかな。