地元は意外に盲点というが、このたび横浜・山手界隈をくまなく歩いてみて、通ったことのない道が結構あって新鮮だった。

小道や市街にちょっと入り込んで、よく目にするのは邸宅の「遺構」。煉瓦や瓦や貯水槽や導水管や塗装など、当時最新だった技術が駆使されているのが学べる。各々には「○○発祥」とある碑や説明板もあり、はじめての地・横浜らしさが感じられる。

もうひとつ、いたるところの坂道や石段からの風景も山手の丘ならでは。代官坂や谷戸坂のような有名な坂はもちろんだが、散策ルートから外れた坂や名もない生活道路から穴場的な港の風景が臨めた時は、何だか得した気分になる。

山手本通りの尾根筋にならぶ定番洋館巡りだけでなく、丘を上り下りしながら小道に入っていくのもまた、山手さんぽの楽しみである。いやいや地元ながら、嬉しい再認識。