
ガード下に連なる産直飲食街の一角にある「魚河岸魚○本店」にて、ホッピー黒×海鮮串カツ。サラリーマンの聖地にどっぷり浸って飲むなら、わずかな小遣いで程良く飲める値頃酒にこのテイストにおいて真打ちな盛り合わせの、このコンビが似合う。
線路の直下の細い路地に、じゃんじゃん連なるカラフルな行燈。どこも満員御礼の中、駿河湾の幸自慢の店へと滑り込む。黒のセットを頼んだら、中がグラス半分の大サービス。ちびりとやってはカッと燃え、隙間にシュワッとホッピー注いでクラッ、と回りの早いこと。揚げたてカリカリの串揚げをサックリやると、白身はふっくら厚く貝は滋味がジュッとあふれんばかり。喧噪の中で空いていく瓶と串が一本また一本、サラリーマンらしい金曜の真骨頂な一期一会。
頭上をゴトゴト列車が走り抜けるたびに、議論が一歩また一歩と深まっていく職場酒。流しの兄さんがギター一本で80'sのニューミュージックを奏で始めれば、仕事の憂さもきれいに一掃されていくような。一献一品の小さな酒宴、今宵も天下泰平なり。