
安曇野・大王ワサビ農場の「いわな茶屋」にて、ワサビビール×ワサビコロッケ。春まだ浅い安曇野で、ワサビ田を前におひさまの下で飲むなら、酒も肴もピリリと効いたこのコンビが似合う。
清流の水辺に青々と浮かぶハートの葉を眺めれば、心まで清冽に締まるかのよう。そんな眺めを前にしたら、昼酒はワサビづくししかない。麦汁も泡もほの緑のビールは、のどから鼻へパチパチ抜けること。トッピングのおろしに粒々の茎が、ピシリと決まるインパクトだ。揚げたて熱々のコロッケも、割ればたっぷりの刻みワサビ。ホックリの芋にシャクシャクと、程よいアタリが効いている。刺激がまとめる辛旨さ、後味もツンとスッキリの一期一会。
バックに連なるアルプスを仰げば、山の国にいるのを実感する。芽吹きが盛りのワサビ田に残雪覗く峰々、当地の初春らしい風景に囲まれて、杯を干す旅路での満悦かな。一献一品の小さな酒宴、清々天下泰平なり。