品川はあきた美彩館での、白神地域の観光懇談会は、地元食材総動員の嬉しい宴となった。後半は能代のBグル・のしろ豚軟骨から。

これは40年ほど前から地元で浸透する食文化で、「パイカ」と呼ばれる固くて捨てていた部位をまかないで食べていたのを、現在30店ほどで供している。ザクザクバキバキの唐揚げもワイルドだが、キーマ風のカレーがなかなか秀逸。軟骨が甘いのでスパイスを通常の数倍使っており、コラーゲンなトロ甘の軟骨の舌触りの後に時間差でビリ辛のインパクトが効いてくる。

先日おみやげで味わった藤里町のマイタケキッシュをいただいて、締めは三種町のじゅんさい料理。国産のじゅんさいの9割を占める本場だけに、出されたじゅんさいのゼラチン部が厚いこと。これと梅を練りこんだのが、町名を冠する「みたねうどん」。生地は小麦粉のみ、白だしだけでシンプルにすすると、稲庭とは対照的な強靭さ。トッピングにもフルフルのじゅんさいとカリカリ梅がのっていて、さっぱりツルツル食べやすい。

ローカルデザートである、胡麻餡のだまっこ餅で軽い甘さで締めくくり。世界遺産の手つかずのブナ林が売りのエリアだが、海に陸に食彩の地なのも再認識した、お腹に効いた懇談会だったかな。