
郡山駅そばの繁華街にある「壱献」にて、雪小町特別本醸造×伊達鶏串焼き。南三陸の被災地巡りの旅を終え福島の鍵となる街に泊まったなら、地元の食と酒を味わい応援する気持ちを込めての、このコンビが似合う。
駅前すぐに広がる繁華街を行けば、夜まだ浅いのにご機嫌な酔客と行き交う。嬉しい気分でぶらり歩き、ビル中の落ち着いた趣の店へ。品書きの料理につくローカルな地名にもホッとしてたところで、復興支援のセレクトだ。当地郡山が蔵元の酒は、名のような清らかでいさぎのいい飲み口。抜群の相性の焼き鳥は、活きがままの弾力ある身から健康な鶏らしい旨味がはじけ出てくる。うつくしまの豊かな山と大地の恵みに、ひたすらエールを送り飲み喰らう一期一会。
ローカル魚はあいにく出せずと聞き、目に見えぬ被害の重さに痛み入る。先への長い道のりを垣間見ての複雑な思い、できることは何かと熟考しながら傾ける、もう一つの被災地でのやや苦いひとり盃か。一献一品の小さな酒宴、一歩一歩天下泰平なり。