
気仙沼プラザホテル・お魚いちばに併設の「港町レストラン 鮮」にて、蒼天伝特別本醸造×フカヒレ寿司。東北屈指の遠洋漁業の基地を前に飲むなら、建物がレトロな地元蔵元の酒と延縄混獲の高級食材な、このコンビが似合う。
復興の途上で夜は閑散とした町で、やっと見つけた飲食店の灯。OS直前の滑り込みにホッとして、ちょい張り込んでの三カンを頼む。プルプル、シコシコの弾力に、プツプツの歯ごたえから染みた味がジワッ。食感の豊かなバリエーションこそ、水揚げ地ならではの華やかさか。迎える冷酒は、甘さがクイと押すしっとりした口当たり。連日の被災地巡りのお疲れに、傾けるたびに体の奥へとしんみり溶け込んでいく。漁師町にしてはの上品な酒が、フカヒレの高級さに相応のような一期一会。
窓の外に広がる内湾は、明かりの少ない港町にあり漆黒の暗さ。明日の早起き市場訪問では、復興の活力を感じさせる賑わいを期待し、蒼天を突くごとく杯を上げてみたりして。一献一品の小さな酒宴、がんばろう天下泰平なり。