野毛小路から入ったところにある「わかば」にて、八海山×里芋ゆで。久々の再会に気勢が上がり始めた二品目には、ほっこり優しい居酒屋惣菜に居酒屋にはちょっと高価な銘酒の、このコンビが似合う。

ガラスの器で運ばれた二合酒は、庶民派の店には小洒落たしつらえ。青い杯にサラサラ流れ込む涼感が、冬場ながら清々しい。スッと素直な喉越しに米香の花が咲けば、日本酒ならではの悦楽へ。小芋をひょっくり剥き含めば、ねっとり甘さに土旨さが大地の豊穣を語ること。箸の伸びと酌の差し、テンポが上がり杯も芋もコロリ転げる一期一会。

常連で埋まる小さな店のカウンターで、語り飲むうちいつしか店との一体感が。カウンターの大皿惣菜を指差しで頼めるようになったなら、ここはもうすっかり俺の店、我らがいつもの居場所。一献一品の小さな酒宴、じっくり天下泰平なり。