
今朝は七草粥を朝食にした方が、多いのではなかろうか。1月7日は、元旦からちょうど一週間。年末年始の多忙の疲れ、飲食続きでの胃腸のバテ、仕事始めの緊張など、ホッとしたいタイミングに青野菜たっぷりの軽い塩味の粥は、確かに和む。
我が家の人日の節句の朝は、七草粥ならぬ豆腐料理で迎えた。実は年末の大掃除で、「豆腐百珍」なる江戸時代の料理本を発掘。バリエーション豊富な逸品が満載で、薬味を載せるのみならず煮て、茹でて、焼いて、揚げて、潰して、丸めてと、当時のあらゆる技法が用いられていた。はんぺん豆腐、南禅寺蒸し、ふわふわ豆腐、霰豆腐など、名から技法と仕上がりが浮かび、実にそそられる。
レシピの模倣もいいけれど、その創作精神を捉えるのも一興。ちぎった木綿豆腐に菜の花をあしらい、七草からの代表は大根の葉を散らし、スッキリ塩味の汁椀を仕立てた。ごわっとしっとりした豆腐の食感に、苦みずみずしい葉物の香気。胃ものども鼻も爽やかに通るこの一品、かの書に倣い「七草豆腐」と命名したら、101品目に挙げていただけるかな?