小涌谷〜芦ノ湖を目指して歩いていて、芦ノ湯周辺に石仏や石塔が連なっているのを見かけた。石畳の遊歩道が国道1号線に沿って設けられ、曽我兄弟の墓である五輪塔、大岩に地蔵がいくつも刻まれた二十五菩薩、大岩の斜面に刻まれた巨大な六道地蔵像など、かなりの名品揃いだ。

二十五菩薩も六道地蔵も、年月を経た磨崖仏ながら刻印ははっきりしていて、表情や袈裟の様子まで分かる。岩がまるごとが力を持つ本尊に感じられ、霊験あらたかなたたずまいに、背筋がしゃんとする思いだ。

芦ノ湯から精進池付近は、国道1号線をクルマで何度も通っているが、すぐ沿道にこうしたものがあるのは初めて知った。まさに、歩く旅ならではの発見である。