金をかけず、あくせく観光せずに旅先を楽しむなら、とにかく「歩く」に限る。という訳で、今日の箱根は満足するまで歩く。車道に遊歩道、山道と、ロングトレイルいってみよう。

上強羅の宿から早雲山まで登り、車道を一気に小涌谷へ下り。目指す千筋の滝はさらに谷底なので、前日来登った分をみんな下った感じだ。千筋の滝はミニナイアガラ風で、細い水筋が幅広に流れ落ち、高さはさほどないからオブジェのようにも見える。

ここから目指すは芦ノ湖、ということは、下った分をほぼ全部登り返さなければならない。浅間山の山腹の等高線に沿い、杉の美林から九十九折の急登に挑む。息が切れ切れでやっとこさ登り切ると、右手の木立の向こうに小涌谷方面の旅館街が見下ろせた。山登りのご褒美は、何といっても俯瞰の景色に尽きる。

が、登りはこれで終わりじゃなかった。草地の急角度の直登を、数歩で休み休みな体たらくで絞られ、真のピークの鷹巣山まで登り切った。北条氏が城郭を築いた要衝で、木々が多く見通しは悪いが、明星ケ岳方面の連山が見渡せたのがまずまずか。

ピークを超えてあとは下り、と気を抜いたのがまずかった。国道1号線との合流で曲がる方向を間違え、何と再び小涌谷方面へ!箱根駅伝のルートだし、と調子にのって走るうち、何だか方角が変だ、と地図を見直したらすでに遅し。必死に登った分の3分の1ほどを、戻ってしまっていたとは…。

これを再び登り返す気力はなく、近いバス停から芦の湯まで、無念のバス移動。