
疲労が積もってくると、体が求める食べ物がある。栄養がどうとか、味がなにとか、理屈抜きでガツガツいきたい。まったり甘いもの系やガッツリスタミナ系、さっぱり軽いもの系などなど。これさえ食えばあとはもう万全、という「復活の一品」が、誰でもいくつかあるのでは。
私的にスタミナ系の最高峰に位置するのが、レバニラ炒めだ。レバーにニラに炒めと、単純なネーミングからして「お、やるな!」とのパワフルさ。醤油ベースの味付けで高温で一気に炒められるから、モヤシとニラの野菜のイキのよさに、もったりと重みあるレバーの滋養が染み入ってくる。皿にズン、とてんこ盛りの迫力でも、ザバッと箸でいきザシザシかっ込んでいけるのがいい。
思えばレバーもニラも、子どもの頃はあまり好きじゃない食材だった。それが今では頼れる「復活の一品」に。大人になって仕事に追われるうちに、ガス欠時に身体が求める嗜好も、理屈抜きで変わってきたような気がする。