
台北の築地市場といえば、市街の東寄りに位置する台北魚市場と台北市第二果菜批発市場のある一画。その周囲一帯は「濱江市場」と呼ばれ、鮮魚と精肉を中心に青物や乾物や加工品など、各種食材の店舗が一同に介している。卸売市場棟を囲むように小売店が密集する様は、さながら台北の築地場外の様相を呈している。
昨日の松江市場と同じく、鮮魚は日本でなじみの魚種も目立ち、真鯛にタチウオにアマダイにエボダイといった高級魚、アジにサバにスズキにイシモチなどの比較的大衆魚それぞれ、丸一尾で氷敷きの上で並べられている。淡水・汽水の魚も海の魚と一緒に扱われているのが日本にはあまりなく、上記の魚にアユやボラなどが並んでいる光景も。カキやエビはむき身で販売されるのも珍しい。
品札の漢字は何となく意味が分かり、「本港漁撈」「船主自営」「産地真送」「現撈魚貨」など、地魚や産直感が伝わってくる。「現殺」とは活け締めだろうか。逆にサケやホタテなどは「空輸」と明記してある。話題の産地表示だが、この市場はしっかりしてるようだ。