蒲田の街を歩いていると、ベトナムゆかりの店が点在するのが気になる。再開発途中の京急蒲田駅からアーケードの商店街を抜け、「俺の」人気店の隣にベトナムレストランが。呑川沿いを歩き、JR蒲田駅前の飲み屋街には家庭料理の店が。駅から西口に行けば、こちらのアーケードにも雑貨屋、さらに手芸屋街の一角にも1軒。ベトナムカラーの街、ほどではないものの、独特のエスニックテイストを醸し出している。

JR蒲田駅ビルの「コムフォー」は、ベトナムの麺・フォーの専門店だ。定番の鶏のフォーは、鶏ガラのスープに蒸し鶏ほか、野菜がたっぷりのったさっぱりテイストが、散歩の締めの軽食に嬉しい。米粉の平打ち麺はツルツル滑らかで、ふっくら柔らか。あっさりしたダシのスープは日本人好みな一方、野菜類の青い香りが際立つのがアジアの麺らしい。

蒲田は飲み屋とカラオケと焼肉とサウナの街などといわれ、繁華街の混沌とした熱気が東南アジアの夜市を思わせる。駅ナカの小洒落た店のフォーもいいが、中央通りの飲屋街を入った路地あたりで屋台ですすれれば、大田区リトルアジアの大衆気分が味わえそうだ。