駅そばの「ふじ居」にて、土佐鶴冷酒×しじみ酒蒸し。仕事を終え、近場でじっくり同僚と腰を据えて飲むなら、飛び込みで入った店で目に入ったこのコンビが馴染む。

 大振りの椀に煮えたシジミをつまみ、ほじり、白濁の汁をすすっては、ビリビリに辛い土佐鶴のグラスをなめるようにクッ。滋味あふれる椀に、南国高知の地酒がとんがる、仕事帰りの飲みらしい一期一会。

 二杯三杯とグラスを重ね、口数も滑らかになり、仕事への志をいつになく大仰に大演説。一献一品の小さな酒宴、今宵も天下泰平なり。