
飲んだ後のラーメン論は、ここで何度も登場している。要するにアルコールの作用で、水分塩分炭水化物を体が欲するからだが、深夜の就寝直前でこれらを摂取するリスクは、冷静というかシラフで考えたら相当危険だ。自分も好きな方だったが、ある時期を境に体が欲しなくなったのは、年齢相応だからだろうか。身近には飲んで別れた後、翌日聞いたらあの後二郎に寄った、なんて猛者もいて、若いな、とつくづく思ったりして。
先日の懇親会で紹興酒を飲み過ぎ、終電に駆け込んだがあいにく手前の磯子止り。会の盛り上がりのハイテンションが抜けず、珍しくガッツリ締めラーメンが食べたい気分で、駅のそばの「磯子家」へと足が向いた。屋号の通りど真ん中の家系の店で、カウンターにつくと油と味の濃さと麺の固さを尋ねられるのがデフォ。どう頼んだかは、記憶が定かではないが。
濃厚トンコツ醤油スープにがっちり太い麺。家系の特徴は、締めラーメンに体が欲するが体に危険な典型といえる。豆板醤におろしニンニクで、好みに合わせて強烈な刺激を加えるのも、家系のさらに危険なデフォ。どう入れたかは記憶が定かではないが、酔いに任せて激辛ニンニクトンコツ醤油ラーメンという、とんでもない代物に仕上がった。これが酔った体に、泣けてくるほどうれしいことといったら。
自宅までのひと駅はタクシーを使うつもりが、ラーメン効果で元気が出たので歩くことに。まだまだ締めにこの手のが食べられるな、と自信を持つより、今回限りで食い止める自粛の念が必要かも。まあ、とりあえずは翌朝の胃のもたれ、体の重さ、そしてニンニク臭は考えないことにして…。