
ターミナルからいざ、列車や飛行機で旅に出るとき、いつも買い込むお決まりの弁当がある。新横浜から新幹線なら崎陽軒のシウマイ弁当。羽田から航空便なら「空弁」の万正カツサンド。浅草から東武電車だと下町の深川めし弁当、などなど。
どれも旅の始まりを華やかに盛り上げ、ビールとのマッチングもバッチリ。加えて発地のローカルさにここから出発って気分になる。最近はターミナルにもコンビニがあり、のり弁シャケ弁をレンジでチン、もできるけど、発地の駅弁空弁は非日常の扉を開く、旅立ちのキーアイテムでもある。
そんな選択肢が多い東京駅で、迷ったときは日本レストランの「チキン弁当」だ。昭和39年発売のロングセラーで、日本食堂の頃からの超定番駅弁。子供にも人気の組み合わせだけに、新幹線に乗る際に一度は食べた人も多いのでは。
何と言っても、チキンバスケットとチキンライスが別盛りなのが、大人の飲んべには優れモノ。発車ベルとともにロング缶を開け、流れる都心の風景を眺めつつまずはチキンバスケットで一杯。皮をパリパリに香ばしく仕上げた唐揚げ、イモをつぶした系のポテサラ、さらにスモークチーズまでついていて、オードブルには至れり尽くせりである。
景色がやや郊外に変わったあたりで、ビールもオードブルも終わり、続いてチキンライスに舌鼓。グリーンピースに炒り卵がのったケチャップライスの「お子様感」に、子供の頃の家族旅行のワクワクが思い出されるかも?