下関からは釜山とを結ぶ航路があり、人の行き来や物流も密である。釜山から物を売りにくるひとのほか、下関在住の韓国人も多く、JR線高架沿いに形成された長門市場とグリーンモールという商店街では、食材や雑貨、焼肉屋が点在している。
 店を冷やかすと話題の韓国ラーメンにのり、ホットクやチヂミなどを売っていたり、韓流タレントショップがあったり。ちょっとしたコリアンタウンの様相を呈している。

 最近、下関でご当地グルメとして売り出し中の「とんちゃん鍋」は、韓国の人のソウルフードだ。とんちゃんは韓国語で豚モツを指し、モヤシやネギ、キャベツと一緒なや甘辛い味噌ダレで煮込んだもの。
 
グリーンモールの「焼肉やすもり」で試したら、モツが見えないほど盛った野菜を混ぜ返しながら煮込み、タレが染みてしんなり煮えたら弱火にして食べごろだ。

 タレが野菜を包むように甘く、ビールよりご飯にあう味。モツは現在では牛モツを使うことが多く、煮込んでもかなりコリコリと固い。モツと野菜の組み合わせは高栄養価でバランスもよく、ガシガシ、ザクザクかんで喰らうところが労働食らしい。
 仕上げはちゃんぽん麺を加え、汁も味噌だれも残さず摂取。フグなど魚が名物なイメージの下関で異国を垣間見たような、最近話題のご当地グルメであった。