震災で甚大な被害を被った気仙沼で、フカヒレの天日干しが復活
したとのニュースを見た。日本一のフカヒレの生産地だが、まだ平常時の1割にも満たない量らしい。とはいえ、まずは気仙沼ブランドのフカヒレを生産するアクションが始まったことこそ、復興中の中では評価される。
 しかしながら状況下、今後はフカヒレが品薄になる傾向で、これ以上に高級食材になるのは必至だ。ちょうど関内にあるフカヒレの名店「廣翔記」のコースを、クーポン共同購入サイトで入手しており、復興支援というか手頃に食べられるうちに? と訪れてみた。

 ここは「鉄人のフカヒレ専門店」とのキャッチもある中華街の人気店の支店で、2階のショーケースに高さ50センチはありそうな、立派なフカヒレがお出迎え。「天九翅」という、ウバザメの背びれを気仙沼で乾燥加工した最高級品、と但し書きにある。
 この日の「鳳凰コース」の中で、フカヒレを使った料理は2品。点心のフカヒレ小龍包は、丸ごと口に入れて舌で転がしていると、ダシのよく効いたスープがジュワッ。熱々のフカヒレスープが中にたっぷり入った、実に贅沢な小龍包だ。

 姿煮は海鮮風味のスープでトロリと煮込んであり、箸でサクッとつまんでシャクッといく。フカヒレは本来、無味無臭だが、繊維の一本一本がスープの旨みをからみとって、魅惑的な食感とともに言葉にならないおいしさ。これぞフカヒレ料理の醍醐味である。
 ひとくちにフカヒレといっても、ヨシキリザメ、モウカザメ、アオザメと、種類によって太さや食味が異なるという。最も漁獲量が多く一般的なのはヨシキリザメで、姿煮にもこれを使用。太さがスープとの相性がいいように選んでいるそうである。天然ものなので皿ごとに多少大きさが違うのは御愛嬌、と聞き、あわてて家内の皿を覗いて比べたりして(笑)。

 産地は気仙沼だから、食べて復興支援の一翼を担ったというか、フカヒレの品薄化に拍車をかけたというか。コラーゲンやコンドロイチンが効いて、明日の肌と腰膝肩が絶好調となったら、高騰しないうちにもう一度来店しようかな。もちろんお安いクーポンで。