
という訳でゴールデンウィークが明けた5月の上旬に、いざ「築地で朝ご飯」の日々のスタートである。最寄りの東銀座駅から張り切って歩きだしたが、市場に近づくに連れて独特の喧噪どころか、どんどん閑散としてくる。この時間になると、もう買い出しの業者も帰ってしまったのだろうか、などと思いながら、築地市場の玄関口といえる築地4丁目交差点に到着。そして、新大橋通りを挟んだ向かいに初めて見た築地場外市場は…
どこもシャッターが閉まっていた。築地市場は毎月第2・4水曜日が定休日(休市日)で、今日は第2水曜日。人の気配がないのは、どうやら時間帯のせいだけではなかったようだ。
とはいえ、休市日でも朝ご飯は食べなければならない。あまり選択肢はないが、新大橋通り沿いで、数軒開いている店の中から選んだのが、この「築地どんぶり市場」。カウンターのみの店で、名の通りマグロや魚介を使った丼で勝負、といった店である。
狭いカウンターの向こうでは、頑固そうな親父さんを中心に、おばさんと姉さんが客相手に奮闘中…といいたいところだが、他に客の姿はなく手持ちぶさたの様子だ。築地の朝ご飯1食目は、大振りの赤身がたっぷり9枚のった「マグロ丼」。親父さんによると「バチマグロ」とのことで、赤身なので相当さっぱりしているがとても柔らかく、ねっとりした舌触り。脂がのったトロとはまた違った味わいだ。ご飯はゴマと刻み海苔がのっていて、香ばしく食欲をそそる。
大粒のアサリがたっぷりのみそ汁で締めてほっとひと息。明日は再び仕切直しで、賑やかな市場で、よりどりみどりの食事どころが待っている。(2004年5月12日食記)