気付けばもう3年以上更新してなかったのだが、休会を機に少しづつ更新していきたい。 学生時代に所属した極真会館大阪南上新庄道場は大阪の下町にある、個性豊かな楽しい道場だった。
当時の道場はマンションの2階にあったのだが、一階がスナックビルに隣接していたため、年に数回は酔っ払いとか変な輩がやって来る。大学4年間に色んなことがあったが、中でも思いで深い一件は、ある酔っ払い(ヤク中?)が来た時のことである。
その日はすべての稽古が終わって先輩方と談笑していたとき、いきなりオカシイ男がやtってきた。おそらく30代半ばの細身の男だったが、ラリってるのか酔ってるのか、それとも日本人ではなかったのか、呂律の回らない感じで、
「中村出せ! 中村殺したる!」と大声でわめきながらいきなり道場で暴れだした。
その男は「ワシはベトナム戦争でテコンドーでいっぱい殺してきたんじゃ!」とかワケの分からないことを言いながらパンチやら蹴りやらを振り回し、その場にいた後輩に殴りかかった。 あまりの突然のことで後輩も一瞬呆然としていたが、顔面をガードしてかわしていた。自分は当時茶帯であり、何かあれば黒帯の先輩より先に出て行かないといけないという想いから、後ろからその男を引き離そうとすると今度は自分に向かってきた!
とにかくブンブンパンチを振り回してくるので、顔面をガードしながらにパンチを貰わないようガードしながらくっついて一気に首相撲みたいに相手を押さえつけた。 (当時道場では顔面有りや組技なども黒帯の有志で練習していた)本当はここで膝蹴りを叩き込んで終わりなのだが、あまりに勢いよく押されすぎて自分ももつれて倒れてしまい、寝技のような状態になってしまったので、フロントチョークでそのまま締め上げた。 するとそのまま段々大人しくなり動かなくなったのでそのまま後輩に警察を呼ばせて到着を待った。
警察が車での数分の間、男が暴れないよう落とせばよかたのだが、当時は落とし方がよく分からなかったため、間違えて絞め殺しては行けないと思い、時々は適度に緩め、暴れだすとまた締めを繰り返すという非効率なヤリ方をしていた。 そしてまもなく警察が来たので事情を説明すると、制圧するために殴ったかどうかということを聞かれたので、自信満々に「一発も殴らず締め技で対応した」旨を話すと、「首を締めると下手したら殺人未遂と言われるぞ。」と返された。 思わず「ほなどないして制圧すんねん?!」と突っ込みたくなったが、何はともあれその後男は一旦警察に事情を聞かれると、酔いが醒めて我に返ったのかいきなり土下座をして謝りだした。
もともと昔韓国でテコンドーをやっていて極真や中村師範に憧れていたとのことで、それが酔ってどう思考回路が変更されたのか、道場破りをする気持ちになって今回の事に及んだという。とにかく男は道場の師範の写真に向かってひたすら土下座を繰り返し反省していたので、特にその場は事件にすることなく治めることとなった。
そして男は何故か泣きながら「押忍 ありがとうございました」と警察官も含めてその場にいた人全員に十字を切り握手をして帰っていった。 そしてその後は何もなかったが、当時はこういったことが年に一二度ど遭ったのだが、自分の場合は実際に空手の技で倒すまでことはなかった。
しかし恐怖(強さへの尊敬の意味を込めて)のH先輩についてはそんな生易しいものではなかった・・・。